町外れで初めてそれを見た
それは突然目の前に現れ
しばらく小刻みに震えた後
ゆっくりと見えなくなった
何日かして近くに行った折り
再び現れないかと同じ場所に佇んだ
そこへ男が通りかかり声を掛けてきた
訳を話すと
実はここで と言いかけてから
やはり何でもないという顔をして
男はその場を立ち去った
俄然興味を引かれた私は
その町外れに足繁く通うことになった
そして何度目かの訪問でそれは再び姿を見せたのだ
出現の法則のようなものを掴むと
かなりの確率で目撃できるようになっていった
心なしかそれも私が来るのを喜んでいるようにも思えた
機は熟した
ついに私はそれを持ち帰ることに成功した
今ではそれは広口瓶に入れられ
私の寝室で鎮座している
夜などそれがとても重宝するのは
ぼうっと青白く光るからである