これはどう感想を書いたらよいか分からない、不思議な感触を持った詩集でした。
特定の出来事が語られているのでもなく、何らかの感情、心持ちが表現されていると思うのですが、喜怒哀楽のどれもが当てはまらない。
何と言ったらいいのだろう。語り口からはどこか達観しているようで、その根底には不安もあるような印象だが、恐怖があるのでもない。
時折日常の風景も顔を覗かせるが、そこからはすぐに離れてしまう。
最初と最後の詩には、「生(なま)ぬるい風(かぜ)」という言葉が出てくる。暑くも寒くもない、何となく中途半端な、どっちつかずの感じ。
表題詩の「半宙体」とは何だろう。宙ぶらりんに漂っている我々存在のことだろうか。
きっと他の人ならもっと何か多くのことをくみ取ることが出来るのでないでしょうか。
不思議な感覚を味わえる一冊だと思いました。