まず星野さん自身による絵の表紙、黒猫の周りの丸い枠がキラキラと光る装丁が素晴らしい。この楕円は鏡なんだろうか。
星野さんの詩は平易な言葉で書かれていながら、読む人に考えること促す、深い問題意識にあふれています。それも頭ではなく体験に根差した心からの気持ちから始まったものだと思うのです。これこそ、詩の王道ですね。
一番印象に残ったのは、「かなしくない」。これはまだ自分は経験していないことながら、本当に実感が胸に迫ってきます。
また面白かったのは、「両手に爺」。タイトルだけでも既に面白いですよね。
五章に分かれていて、かなりのボリューム、星野さんの集大成的な詩集だと思います。お薦めです。