いわゆる童話らしい童話もあるんですが、ほとんどが子供が読んだらトラウマにならないだろうかと思うような展開をする話が多くて、びっくりしました。
しかもそれが淡々と描かれているので、悲劇ではあるのだけれども、あっけらかんとして、シュールな印象さえ受けます。
「ある夫婦牛の話」というのは、主題は宮沢賢治の「フランドン農学校の豚」と近いと思いますが、賢治があくまで真面目に書いているのに対して、小熊はある種突き放しているようで、それが反って悲惨さを際立たせます。
小熊と賢治は5歳違いなので同じ時代を生きていたのですね。作風が違っているのは、やはり育ち方が全く正反対だからでしょうか。賢治がお坊ちゃんなのに対し、小熊は家庭環境にも恵まれず。若い頃から苦労しているようなので、当然かもしれません。
絵は童話のために描かれたものではなくて、小熊のペン画が沢山あしらわれています。